機械の停止には、カテゴリ0,1,2 の3種類が存在します。
- 停止カテゴリ0、停止カテゴリ1、停止カテゴリ2
- 停止カテゴリ 0:(Stop Category 0)
- 停止カテゴリ 1:(Stop Category 1)
- 停止カテゴリ 2:(Stop Category 2)
- 各カテゴリの停止状態
- 停止機能の選択方法
停止カテゴリ0、停止カテゴリ1、停止カテゴリ2
機械の停止には、カテゴリ0,1,2 の3種類が存在します。この内、非常停止機能(ISO13850)に用いられるのは、カテゴリ0,1のみです。2つのカテゴリのうちどちらを使用すべきかは、リスクアセスメントによって決定します。
停止カテゴリ 0:(Stop Category 0)
停止カテゴリ0は、アクチュエータへの電力供給をすぐに遮断するものです。場合によると、モータは惰性で回転し続けるため、動作が停止するのにある程度の時間がかかることもあります。、モータは停止するまで惰性で回転するため、これは非制御停止となり、追加のブレーキが必要になる場合があります。
- 電磁開閉機器による機械の電気モーターへのスイッチのOFF
- 危険な要素(直接の危険源)と機械アクチュエータとを機械的に切断
- 機械の油空圧アクチュエータへの流体の動力供給を遮断
- セーフトルクオフ(Safe torque off:STO)
セーフトルクオフ(Safe torque off:STO)とは、IEC 61800-5-2で定義されている安全停止機能であり、 セーフティコントローラからの入力信号によって、モータを停止させる機能です。
停止カテゴリ 1:(Stop Category 1)
停止カテゴリ1は、アクチュエータ(モータ)にブレーキ作動をさせるため停止するまでアクチュエータ(モータ)への電力供給を継続させるものです。停止後にアクチュエータへの電力供給を遮断します。鍵付きのインターロックガードのカテゴリ1の停止の場合は、機械が安全(つまり停止)状態になるまでガードが閉じた状態にロックされることで安全が確保できます。
- 停止するまで機械アクチュエータに動力が供給される制御された停止。
- 停止すると動力は切り離される。
- IEC61800-5-2によるSafe stop 1(SS1)
停止カテゴリ 2:(Stop Category 2)
停止カテゴリ2では、アクチュエータから電力供給を遮断しないものです。
- 機械が停止したあとも電源は接続
- 非常停止に用いてはならない
各カテゴリの停止状態
出典:日本機械工業連合会 機械安全国際規格の紹介 ISO13850
停止機能の選択方法
使用するカテゴリの決定にはリスクアセスメント評価が必要です。また、開始/停止分析を行う必要があります。
リスクアセスメントが完了したら、次の質問で確認します。
1)制御されていない停止を使用して、機械は安全に停止するか?
機械の慣性が小さく抵抗が大きい場合、つまり非常に短い時間しか惰性で動かない場合は、カテゴリ0の停止で十分な場合があります。
2)電源が切断されたときに機械が惰性走行できる場合、または電源が単に切断されたときよりも制御下で機械を迅速に停止できる場合は、電源オフの惰行時間があったとしても、カテゴリ1の停止がおそらく最良の選択です。
電源を切ると押しつぶしの可能性のある垂直の軸は、緊急停止状態で工具が落下するのを防ぐために、追加の機械的停止機能が必要になる可能性があります。例えば、予期せず落下するのを防ぐ機械式のブレーキなどです。
3)機械に安全な状態を維持するために電力を必要とする装置が含まれている場合は、カテゴリ2の停止がおそらく最良の選択です。一方、非常停止の場合は、このカテゴリ2の停止は認められていません。
カテゴリ2のストップを使用する場合は、機械に電源を入れたままにしておくと、機械に電源を入れることに関連する危険にさらされることに注意してください。注意深くリスクアセスメントを行う必要があります。
カテゴリ2の停止は、通常の停止機能には使用できますが、非常停止機能には使用できません
[関連規格] IEC 60204-1, ISO 13850, JIS B 9703
MSDコンサルティング
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