ヨーロッパで製品を販売するときによく耳にする「CEマーキング」。
でも「CEマークがついていれば安全なの?」「日本製品にも必要?」など、意外と誤解されがちです。
ここでは、欧州委員会が公開しているブルーガイド 2022を参考に、初心者向けにQ&A形式でまとめました。
- Q1. CEマーキングって何ですか?
- Q2. CEマークがある製品はEUで作られたものですか?
- Q3. すべてのCEマーク製品は、EU当局がテストしているのですか?
- Q4. メーカーは自分でCEマークをつけられますか?
- Q5. CEマークはどこにつけるのですか?
- Q6. 「EU適合宣言書」って何ですか?
- Q7. CEマークはすべての製品に必要ですか?
- Q8. 他のマークと一緒に表示できますか?
- Q9. 誰がCEマークを監督しているのですか?
- Q10. CEマークを偽造したらどうなるのですか?
- Q11. 輸入業者や販売店にも責任はあるのですか?
- Q12. 詳しく知りたいときはどこを見ればいいですか?
- まとめ:CEマーキングは「EU市場へのパスポート」
Q1. CEマーキングって何ですか?
CEマーキングとは、製品がEUの法律(調和法)に適合していることをメーカー自身が宣言するマークです。
これがついていると、その製品はEU市場で自由に販売できるようになります。
👉 ポイント
- 品質マークではない(「安全保証マーク」ではない)
- 原産地マークでもない(EU製とは限らない)
- 「法律に適合している証拠」と覚えるとわかりやすいです。
Q2. CEマークがある製品はEUで作られたものですか?
いいえ。CEマークは「EUで作られた」という意味ではありません。
中国や日本など、世界中どこで作られた製品でも、EUの基準を満たしていればCEマークをつけられます。
Q3. すべてのCEマーク製品は、EU当局がテストしているのですか?
いいえ。
基本的に、製造業者が自分の責任で評価し、CEマークをつけます。
ただし、エレベーターや圧力容器などリスクの高い製品は、EUが認めた「通知機関(Notified Body)」のチェックが必要です。
Q4. メーカーは自分でCEマークをつけられますか?
はい。
必要な手続きを終えれば、メーカー自身または代理人がCEマークをつけることができます。
Q5. CEマークはどこにつけるのですか?
- 基本は製品本体
- 難しい場合は銘板、パッケージ、説明書
マークのデザインや大きさ(最低5mm)なども規定があります。
Q6. 「EU適合宣言書」って何ですか?
メーカーが発行する書類で、「この製品はEUの法律に適合しています」と公式に宣言する文書です。
製品名や型番、メーカーの住所などを記載し、署名が必要です。
Q7. CEマークはすべての製品に必要ですか?
いいえ。
CEマークが必要なのは、EUの調和法で義務づけられた製品だけです。
たとえば…
- 玩具
- 家電・電気製品
- 機械類
- 個人用保護具(マスク、ヘルメットなど)
- リフト(エレベーター)
対象外の製品にCEマークをつけてはいけません。
Q8. 他のマークと一緒に表示できますか?
はい。ただし条件があります。
- CEマークと意味を混同しないこと
- CEマークの見やすさを妨げないこと
たとえば「リサイクルマーク」や「品質認証マーク」と一緒に表示してもOKです。
Q9. 誰がCEマークを監督しているのですか?
各国の市場監視当局が監督しています。
欧州委員会も連携し、正しく運用されているかをチェックしています。
Q10. CEマークを偽造したらどうなるのですか?
各国の法律に基づき、**罰金や刑事罰(場合によっては懲役)**を受ける可能性があります。
ただしすぐに没収されるのではなく、製造者に改善の機会が与えられる場合もあります。
Q11. 輸入業者や販売店にも責任はあるのですか?
はい。
メーカーだけでなく、輸入業者や流通業者も責任を負います。
- 輸入業者 → 製品がEU基準に適合しているか確認
- 流通業者 → CEマークが正しくついているか確認
- 自分の名前で販売した場合 → メーカーと同じ責任を負う
Q12. 詳しく知りたいときはどこを見ればいいですか?
- 欧州委員会公式サイト(CEマーキング情報)
👉 CE marking – European Commission - Enterprise Europe Network(中小企業の相談窓口)
👉 Enterprise Europe Network
まとめ:CEマーキングは「EU市場へのパスポート」
CEマーキングは「この製品はEUの法律に適合しています」というパスポートのようなマークです。
- 「品質保証マーク」でも「原産地表示」でもない
- メーカーだけでなく、輸入業者・販売業者にも責任がある
- 正しく表示すれば、EU市場で自由に流通できる
ヨーロッパ市場への輸出を考えるときは、まずCEマーキングの理解から始めるのがおすすめです。
コメント