CEマーキングとEUの「商品の自由な移動」って何?

CEマーキング

こんにちは!今日は「CEマーキング」とEUでの製品のルールについて解説します。


1. CEマーキングって何?

CEマーキングは、製品がEUの安全基準や環境基準に適合していることを示すマークです。
このマークがある製品は、EU全体で販売できることを意味します。

つまり、CEマークがある=「この製品はEUのルールをクリアしているよ!」というメーカの宣言です。


2. なぜCEマーキングやルールがあるの?

EUでは「商品の自由な移動」という考え方があります。
これは、EU加盟国の間で、製品が自由に売買できることを意味します。

例えば、日本で作ったお菓子が、EUのどの国でも自由に販売できるイメージです。
でも、もし安全基準を満たしていない製品を入れると、消費者の健康や安全が守れません。
そこでCEマーキングなどのルールが登場しました。


3. 歴史から見るEUのルールの変化

EUの製品ルールは、過去40年で大きく進化してきました。

  1. 古いアプローチ(Old Approach)
    • 国ごとに細かい技術規制を作っていた時代
    • 国が製品の認証まで行うこともあった
    • 法律が複雑で、国際取引に不便だった
  2. 新しいアプローチ(New Approach:1985年~)
    • 法律では「必須要件(安全や健康に関わる最低限のルール)」だけ決める
    • 技術的な細かい部分は、ヨーロッパの標準規格に任せる
    • 製品の認証や試験の方法が統一され、EU全体で自由に流通できるようになった
  3. 新しい立法の枠組み(NLF:2008年~)
    • CEマーキング、認定、適合性評価、そして市場監視までを一体化
    • すべての製造業者、輸入業者、流通業者の役割が明確化

4. 「相互承認」とは?

EUでは、一国で合法的に販売された製品は、原則として他国でも販売可能です。
これを「相互承認」と呼びます。

ただし、安全や健康に影響がある場合は、販売を制限することもできます。
逆に言うと、安全な製品であれば、EU内のどの国でも自由に販売できるのが基本ルールです。


5. CEマーキングのしくみ

CEマーキングがある製品は、次の条件を満たしています:

  1. EUの必須要件をクリアしている
  2. 必要に応じて、**適合性評価(テストや検査)**を受けている
  3. 製造者や輸入者が責任を持って製品を管理している

つまり、CEマークは「製品の安全保証マーク」であると同時に、EUでの販売許可証の役割も持っています。


6. 市場監視の重要性

CEマーキングがあっても、製品の安全性を守るには「市場監視」が欠かせません。
これは、製品が販売された後も、ルールを守っているかどうかをチェックする仕組みです。

EUでは2019年に「市場監視に関する新しい規則」ができ、オンライン販売も含めてチェックが強化されました。


7. まとめ

  • CEマーキングはEUの安全・規格適合マーク
  • EUでは商品の自由な移動が基本ルール
  • ルールの歴史は「国ごと規制」→「必須要件と標準規格」→「包括的枠組み」へ進化
  • 相互承認により、一国で合法販売された製品は他国でも販売可能
  • 市場監視で、販売後も安全が守られる

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