EU適合宣言書(DoC)とは?
EU適合宣言書(Declaration of Conformity、DoC)は、製造業者またはその代理人が自社製品がEUの法令や規格に適合していることを正式に宣言する法的文書です。
この宣言書は、CEマーキングを製品に貼付するための必須要件であり、EU市場での製品流通において不可欠な要素です。
DoCの目的と法的背景
EU適合宣言書は、製品がEUの安全性、健康、環境保護に関する要求事項を満たしていることを証明します。 これにより、製品はEU市場で自由に流通できるようになります。
2023年5月10日に施行された「一般製品安全規則(Regulation (EU) 2023/988)」により、DoCの作成と保管が義務付けられました。 この規則は、従来の指令(Directive 2001/95/EC)を置き換えるもので、消費者保護の観点から製品の安全性確保が強化されています。
DoCに含まれるべき情報
DoCには、以下の情報が含まれている必要があります:
- 製造業者または代理人の名称と完全な住所
- 製品の識別情報(型式、モデル、シリアル番号など)
- 適用されるEU指令や規則の参照
- 適合性評価手順の説明
- 適用された整合規格のリスト
- 認証機関(ノーティファイドボディ)の情報(該当する場合)
- 署名者の氏名、役職、署名日
これらの情報は、製品がEUの要求事項を満たしていることを証明するために必要です。
DoCの作成手順と注意点
- 技術文書の整備:製品の設計、製造、運用に関する情報を含む技術文書を作成します。
- 適用される指令の特定:製品が該当するEU指令や規則を確認し、それに基づく要求事項を特定します。
- 適合性評価の実施:製品が特定された要求事項を満たしているかを評価します。
- DoCの作成:必要な情報を含むDoCを作成し、署名します。
- 保管と提供:DoCは製品が市場に出されてから10年間保管し、市場監視機関の要求があれば速やかに提供できるようにします。
DoC作成時の重要なポイント
これらのテンプレートを活用し、製品に適したDoCを作成してください。
DoCの重要性と法的責任
DoCは、製品がEUの要求事項を満たしていることを証明する法的文書であり、製造業者またはその代理人が署名することで効力を持ちます。 署名者は、製品の適合性に対する法的責任を負うことになります。
DoCの不備や虚偽の記載があった場合、製品の市場からの撤収や罰金などの法的措置が取られる可能性があります。
日本企業のEU市場進出に向けて
日本企業がEU市場に製品を投入する際、DoCの作成は不可欠です。 適切なDoCを作成することで、製品の信頼性を高め、市場での競争力を向上させることができます。
また、DoCは製品の技術文書の一部として、製品の設計や製造に関する詳細な情報を含む必要があります。 これにより、製品がEUの要求事項を満たしていることを証明するための根拠となります。
コメント