EU適合宣言書とは
欧州域内で製品を流通、または使用に供するためには、 該当する欧州指令の要求への適合が必要となり、指令への適合性を示す文書として、 製造者または委任代理人(Authorized representative)による適合性の宣言がEU適合宣言書(EU Declaration of Conformity)です。
適合宣言は、CEマーキングに関する欧州製品指令の必須文書です。CEマークが製品に貼付され、適合性評価が完了すると、関連する製品が該当する欧州指令の必須要件に準拠していることを製造業者は、適合宣言書(DoC)によってが宣言する必要があります。
適合宣言書は、各指令によって若干要求項目が異なります。各指令の内容が優先し、複数の指令に該当している場合は、複数の指令それぞれの記載要求をすべて満たすように1つの宣言書を作成しなければなりません。
たとえば、機械指令のEU適合宣言書について説明します。
EU適合宣言書に記載しなければならない項目は、機械指令(2006/42/EC)では、ANNEXII, Aに規定されています。EU適合宣言に署名することにより、該当する欧州法への製品の準拠について責任を負うことになります。EU適合宣言書を作成するのは製造者の責任です。
EU適合宣言書には、次の情報が含まれている必要があります。
- 製造者または委任代理人の名前と完全な住所
- 技術資料の取扱いを許可された編纂者の名前と住所
- 機械の一般名称、用途(機能)、モデル名、シリアル番号などの識別
- 機械指令への準拠の声明、および必要に応じて他の指令に準拠の声明
- 型式認証を行った認証機関(ノーティファイドボディ) の詳細(必要に応じて)
- 品質保証システムを承認した認証機関(ノーティファイドボディ)の詳細(必要に応じて)
- 適用している整合規格
- その他の関連法令や規格(必要に応じて)
- 宣言した日付
- 代表者の署名と所属(役割)
EU適合宣言は製品が市場に出されてから10年間保管する必要があります。EU適合宣言(DoC)は納入国の公用語への翻訳が必要です。
なお、このCEマーキングの手順を行わずに宣言だけを行うことは違反です。違反が判明した場合には処罰を受けることになります。EU市場での販売の停止、市場からの撤収などだけでなく、拘置または反則金などの指示が出されたり、メーカ名が公開されるなどの罰則があります。
注意点
すべての製品に対して使用できる適合宣言書の雛型は存在しません。製品の該当する指令を確認した上で作成しましょう。安易にインターネットで見つけた適合宣言書のモデルを利用して輸出するのではなく、しっかり該当指令の要求に沿った適合宣言書を作成ましょう。
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