基本的な項目をまとめてみました。まず初めにこれを読めばCEマーキングの概要をつかむことができると思います。
CEマーキングとは
CEマーキングとは、欧州域内で、製品の自由な移動が制限されないことを保証するために、製造場所に関係なく製造者が、販売や使用される指定の製品に対して健康・安全・環境に関する全ての基準に適合する義務を果たしていることを示すマーキング制度のことです。また、製品に表示された「CE」のマークは、製品が全ての該当するEU加盟国の指令や規則に定められる必須要求事 (Essential Requirements) に対して製品の適合性評価が完了していることを示しています。
CEマークを表示する製品群
CEマーキングは、強制規則であり、欧州域への通関および使用を開始する前に製品にCEマークを表示しなければなりません。製品のCEマークが表示されていることは、製品が、CEマーク表示を義務付けた該当する全ての指令に適合していることを示しています。つまり、該当する指令の1つでも製品の適合性評価が完了していない場合はCEマークを表示することはできません。また、欧州域へ輸出する場合は、新品のみならず中古の製品に対してもCEマーキングが必要です。
CEマーク表示が必要な製品は、産業機械、医療機器、家電製品、玩具など非常に多岐に渡っています。産業機械製品に関わりの深い指令は、機械指令、EMC指令、RoHS指令、低電圧指令の4つになります。
CEマークを表示する製品群
- 機械
- 電磁両立性(EMC)
- 特定有害物質の使用制限RoHS(RoHS 2)
- 低電圧(電気電子機器)
- 埋込式能動医療機器(手術器具を除く)
- ガス燃焼器具
- 旅客用ロープウェイ設備
- 特定の規則に基づく建設製品
- エネルギー関連エコデザイン要求
- 防爆機器
- 民需用爆薬
- 温水ボイラー
- 体外診断用医療機器
- リフト(昇降機)
- 測量機器
- 医療機器
- 環境中の騒音放出
- 非自動計量機器
- 個人用保護具
- 圧力機器
- 火工品
- 無線機器
- レクリエーションクラフト
- 玩具
- 単純圧力容器
CEマークキングが必要な国
EU加盟国27ヵ国、EFTA加盟国4ヵ国、トルコ、および Brexit移行期間の終了までのイギリスの計32ヵ国で販売や使用される指定の製品に対してCEマーキングが必要です。(2020年8月時点)
<一覧>
EU加盟国27カ国:ベルギー、ブルガリア、チェコ、デンマーク、ドイツ、エストニア、アイルランド、ギリシャ、スペイン、フランス、クロアチア、イタリア、キプロス、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、ハンガリー、マルタ、オランダ、オーストリア、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロベニア、スロバキア、フィンランド、スウェーデン
EFTA加盟国4ヵ国:アイスランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタイン
その他2ヵ国:トルコ、イギリス
EUを離脱したイギリスでは2021年1月1日からUKCAマークに変更されます。
CEマークを受け入れる国(csiassoc.comからの画像)
ノーティファイドボディの関与について
リスクが比較的少ない製品については、自己(製造者)の適合性確認による自己認証が可能です。製品の約8割が、この自己認証により製品にCEマークを貼り付けているといわれています。一方リスクが高い製品には認証機関(Notified Body:NB)による適合性確認が必要になります。認証機関(Notified Body:NB)による適合性確認を受けた製品にはCEマークの後に、適合性評価に関与する認証機関(Notified Body:NB)の登録番号が続きます。
注:このブログ「CEマーキングの自己認証を応援!」では、認証機関(Notified Body:NB)による適合性確認については、詳しく説明いたしません。詳細内容を知りたい場合は、各認証機関(Notified Body:NB)の日本支社等への確認をお勧めします。
CEマーキングの基本ルール
CEマーキングの責任は、製品をEUで市場に出す人、つまり、EUの製造者、EU圏外で製造された製品の輸入業者または販売業者、またはEU以外の製造者にあります。
製造者はCEマーキングを製品に付けますが、製品にCEマーキングを付けるには、特定の手順を実行する必要があります。製造者は、適合性評価を実施し、技術文書(TCF/TCD)を作成し、製品の主要な法律で規定されている宣言に署名しなければならなりません。また、技術文書は、要請に応じて当局が利用できるように保管する必要があります。
製品の輸入業者は、EU外の製造者が必要な手順を実行したこと、および技術文集が要求に応じて利用可能であることを確認する必要があります。また、輸入業者は、製造者との連絡が常に確立できることを確認する必要があります。
輸入業者または流通業者が自社の名前で製品を販売する場合、それらは製造者の責任を引き継ぎます。この場合、CEマークを付けるときに法的責任を負うため、製品の設計と製造に関する十分な情報が必要です。
マーキングを付ける手順には特定のルールがあります。
- CEマーキングを規定する特定のEU指令またはEU規制の対象製品は、市場に出す前にCEマーキングを付ける必要があります。
- 製造者は、自社に製品を適用するために必要なEUの法律を、単独の責任で確認する必要があります。
- 製品は、該当するすべての指令および規制の規定に準拠し、それに応じて適合性評価手順が実行された場合にのみ、市場に出すことができます。
- 製造者は、EU適合宣言を作成し、製品にCEマークを付けます。
- 指令または規制で規定されている場合、認定された認証機関(Notified Body:NB)が適合性評価または生産品質システムの設定に関与している必要です。
- CEマーキングが製品に付けられている場合、重要度の異なり、CEマーキングと重複せず、混乱せず、CEマーキングの読みやすさや視認性を損なうことがない場合にのみ、追加のマーキングを付けることができます。
MSDコンサルティング
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