今回は、「数年後、UKCAはどのようになっているのか?」について考えてみたいと思います。
ちなみに、2021年1月1日からのUKCAマーク使用については、次のブログの情報や
英国政府の情報で確認できます。
概略を説明すると次です
CEとUKCAの移行期間
2020年 | CE | × | CEのみ可 |
2021年 | CE | UKCA | どちらも可 |
2022年 | CE+UKCAシール※ | UKCA | UKCAは必須 |
2023年 | × | UKCA | CEは無効 |
但し、上記の期間中であっても欧州指令と英国法の違いが生じた場合、例えば欧州指令が改正された場合は、その新しい指令に整合させた製品のCEマーキングは無効になります。
では、2023年以降どうなるのかを考えてみましょう。
英国(GB)の取るべき道は3つと考えられます。
- 現在の北アイルランドやトルコ(EU加盟国ではない)と同じように、自国のマークを持つが、特定の製品を除いて、実質「CEマーク」の製品を受け入れることにする。
- ロシア諸国のEACマークの様に、基本的には欧州指令の内容を取り入れつつも、EU加盟国とは違う仕組みのUKCAマークになっていく。
- あくまで、自国の安全基準を貫き、欧州指令からは完全に独立し、CEマーキングとは別のものになっていく。例えば、アジアの日本や韓国のように独自の法律で対応していく。
恐らく、安全に関して世界のリーダシップを取ってきた英国(GB)は、1番の北アイルランドやトルコの様に欧州加盟国の「CEマーク」を受け入れることは無いと思われます。一方、四半世紀の間の欧州加盟国とのつながりを断ち切ることもできないと思われるため3番の完全に独立してしまうことにもならないと考えられます。
結局のところは、ロシア諸国のEACマークのように、基本的な部分は「CEマーク」と同じなので製品自体は欧州加盟国に輸出するものと変わりないが、①製品に表示するマークを変更し、②宣言書の記載様式を変更し、③欧州の認証機関から英国の認証機関に変更する(手続きが変わってしまう)ことになると思われます。
日本の製造者にとっては、利益にならない面倒な作業が増えてしまう、認証機関やコンサルタント企業にとっては飯の種が一つ増えるぐらいではないでしょうか。
予測できるはずのない未来のことを言って、鬼にせせら笑われても仕方ないので、この辺にしておきます。
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MSDコンサルティング
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