事業者は、業種区分に応じ、それぞれ、決まった人数以上の労働者を常時使用する事業場に、「総括安全衛生管理者」を選任しなければなりません。
選任が必要な事業場の業種区分と規模
業種区分と常時使用する労働者の人数に応じ、総括安全衛生管理者を選任しなければなりません。安衛法第10条第1項(第四号)
- 林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業 100人以上
- 製造業(物の加工を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゅう器等小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業 300人以上
- その他の業種 1,000人以上
総括安全衛生管理者の資格要件
- 具体的には、工場長や所長を総括安全衛生管理者として選任します。事業場における事業の実施について実質的に統括管理する権限及び責任を有する者です。
総括安全衛生管理者の役割
総括安全衛生管理者は、安全管理者、衛生管理者、安衛法第25条の2第2項により技術的事項を管理する者を指揮と業務を統括管理しなければなりません。
- 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること
- 労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること
- 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること
- 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること
- 安全衛生に関する方針の表明に関すること
- 安衛法第28条の2第1項の危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置に関すること
- 安全衛生計画の作成、実施、評価及び改善に関すること
総括安全衛生管理者の選任と報告
総括安全衛生管理者は、選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任し、遅滞なく所轄の労働基準監督署へ報告しなければいけません。
下記リンクから、インターネット上で本報告書を作成できます。
労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス
総括安全衛生管理者の代理者
事業者は、総括安全衛生管理者が旅行、疾病、事故その他やむを得ない事由によつて職務を行なうことができないときは、代理者を選任しなければなりません。安衛則第3条
労働安全衛生法
(総括安全衛生管理者)
- 第10条
- 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者又は第25条の2第2項の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせるとともに、次の業務を統括管理させなければならない。
- 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること。
- 労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること。
- 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。
- 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。
- 前各号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な業務で、厚生労働省令で定めるもの
- 総括安全衛生管理者は、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない。
- 都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、総括安全衛生管理者の業務の執行について事業者に勧告することができる。
MSDコンサルティング
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