人体に電流が流れたとき、電流の大きさ、人体を通過する時間、通電経路によって、人体への影響は痛みを感じる程度から、火傷、死亡といった重大な結果にまで及びます。
感電の重症度は、電流の強さ、電流の種類、体に流れた電流の経路、電流との接触時間、電流に対する電気抵抗により決まりますが、人体への通過電流の電流値と人体への影響を次に示します。
人体への通過電流の電流値と人体への影響
電流値 | 人体への影響 |
---|---|
0.5mA~1mA | ・指や腕などに痛みを感じるが、人体に危険性はない |
5mA | ・相応の痛みを感じる
・人体に悪影響を及ぼさない最大許容電流 |
10~20mA | ・離脱の限界(不随意電流)、握った電線を離せなくなる
・持続して筋肉の収縮が起こり、呼吸困難や血圧上昇が起こる |
50mA | ・気絶、人体構造損傷の可能性
・心臓の律動異常の発生、心肺停止の可能性 ・呼吸器系等への影響 |
100mA | ・心室細動の発生、心肺停止、極めて危険な状態 |
例えば、200Vの活線に接触した場合、電流は人体を通って大地に流れます。人体は電気抵抗があり、ひふ表面の乾燥度や湿度などにも影響されますが2,000Ω程が人体の電気抵抗値とすると。
人体に流れる電流値は i=200/2000=100mA になり
200Vの活線に接触は、心室細動の発生、心肺停止、極めて危険な状態になることがわかります。
また、感電を防止するための漏電遮断器は、高感度、高速形である30mA、0.1秒のものが一般的に採用されていますが、漏電遮断器が作動したとしても負傷を負うことになります。
MSDコンサルティング
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